OSやツールの制限
WindowsではPC/AT互換機の一般仕様通り、基本領域しかアクティブにすることができず(つまり基本領域からしか起動できない)、一つのハードディスクドライブに1箇所しかアクティブにできない。もし複数の領域がアクティブになっていた場合、Windowsは起動領域が決定できず、起動できない。勿論Windowsのパーティション作成ツールであるディスクアドミニストレータやFDISKでは、そのようなことができないようになっているが、もし複数の領域をアクティブにできるLinuxなど他のOSのツールを使う場合、気をつける必要がある。また逆にどこにもアクティブな領域がない場合も起動はできない。
ところでパーティション作成ツールは、領域を作ることが目的で、その領域をフォーマットはしない。従ってある領域のファイルシステムが確定するのは、最終的にフォーマットツール(コマンド)に依存するのだが、どのようなファイルシステムでフォーマットされるべきかをパーティション作成ツールが決めることもできる。もっともこのパーティション作成ツールが決めたファイルシステムを無視して独自にファイルシステムを決定してフォーマットできるフォーマットツールもあるので、何が本当の意味でファイルシステムを決定するのかは難しい問題なのだが、少なくともFDIKSなどではWindowsが認識する以外のファイルシステムに決定することはできない。
またFDISKとディスクアドミニストレータなどWindowsのツールに特有の制限として、一つのマシンに1箇所しかアクティブ領域にできないというものある。特にFDISKにはBIOSが最初に見つけたハードディスクにしかアクティブパーティションを設定できない。BIOSが見つける物理ドライブの順序に付いては前のページで説明しているから繰り返さない。
またFDISKには更に固有の制限があり、一つのハードディスクに基本領域を一つしか作ることができない。従って複数のドライブを作るにはどうしても拡張領域を作る必要がある。今まで述べた一連の違いを表にして見まよう。
[各パーティション作成ツールの違い]
ブートフラグの数 | 基本領域の数 | ファイルシステム | |
PC/AT互換機一般仕様 | 一つのHDDに一つだけ | 4つまで | |
LinuxのFDISK | 一つのHDDに複数可 | 4つまで | 何でも可 |
ディスクアドミニストレータ | 1台のPCに一つだけ | 4つまで | FAT16, NTFS |
DOS(Windows)のFDISK | 1台のPCの第一HDDに一つだけ | 一つだけ | FAT16(, FAT32) |
Linuxは制限が緩やかだが、これもLinuxのfdiskが上記のような設定(複数の領域にブートフラグを立てたり、論理ドライブに立てたりすること)ができるというだけで、これが意味を持っている訳ではない。ブートフラグを無視しているから、複数あろうが、論理ドライブにあろうが、別に無くても構わないだけだ。しかもこれはLinuxのローダであるLiLoをMBRに入れたり、フロッピーに入れた場合で、これをルートパーティションに入れた場合は、起動に関しPC/AT互換機の仕様に従うことになる。つまり唯一のブートフラグの立った基本領域からしか起動できない。
また上記表は「PC/AT互換機一般仕様」欄以外はあくまでFDISKなどのツールの制限であって、必ずしもこれがWindowsなどのOSとしての制限になっている訳ではない。たとえばWindowsのFDISKでは、複数の基本領域を作れないが、Windows98などは一つのハードディスクに複数の基本領域があるからといって、それだけで起動できないという訳ではない。複数の基本領域があってもアクティブな領域がそのうち一つであれば、そこからちゃんと起動できる。またFDISKはBIOSが最初に見つけるハードディスクの基本領域しかアクティブにできないと説明したが、(LinuxのFDIKSなどで)後続のハードディスクの基本領域がアクティブにしてあっても、起動に問題はない。
Windowsが起動できる領域の条件を整理すると、